01
DXで経営戦略を仕組み化する技術
- 出版社
- 技術評論社
- 著者
- 田村 昇平
- 価格
- 2,400円
本書の目次
| 第1章 DX戦略こそ最強の経営戦略 | |
|---|---|
| DX戦略とは何か? | |
| DX戦略で得られるもの | |
| DX失敗の根本原因 | |
| DX戦略は誰がつくるべきなのか? | |
| 第2章 DX戦略の策定 | |
| 現状を把握する | |
| DX戦略を策定する | |
| DX施策を定義し、プロジェクトへつなげる | |
| 第3章 DXグランドデザイン | |
| DXを体系的に捉える | |
| Step1. デジタイゼーション | |
| Step2. デジタライゼーション | |
| Step3. デジタルトランスフォーメーション | |
| 第4章 DX戦略の組織設計 | |
| IT部門がなぜ機能しないのか? | |
| 攻めのIT部門組織設計 | |
| 攻めのIT部門強化戦略 | |
| 第5章 DXで成長を仕組み化する | |
| DX実行の仕組み化 | |
| DXはトップダウン | |
02
はじめに
はじめに
あなたの業界もデジタルで破壊される
「デジタルディスラプション」という言葉を聞いたことがありますか?
デジタル技術の革新によって、既存の市場や業界の構造、ビジネスモデルが「破壊」され、根本的な「変革」が起きるという意味です。
この変革の波に乗れなかった企業は、一瞬で市場から消え去ってしまいます。誰もがよく知っている3つの業界で、あらためて振り返ってみましょう。
① 小売業界
Amazonは、インターネットとデータと物流を武器に、世界中の小売企業を飲み込んでしまいました。インターネット上の「1クリック」であらゆる商品が届く便利さは、消費者にとって圧倒的な魅力です。
しかし、既存の小売業は、この変化に対応できませんでした。たとえば書店は、昔は駅前や商店街にあれほど栄えていたのに、今では見つける方が難しくなっています。百貨店は、どこも集客で苦戦し、閉店や買収、大幅な方向転換を迫られています。
② 映像業界
Netflixは、インターネット上で映画やドラマなどを視聴できる「オンラインストリーミング」へと業態を進化させました。
しかし、既存のDVDレンタル業者は「顧客は店舗に来るもの」という固定概念に縛られてしまいます。その結果、全国どこにでもあったレンタルショップが次々と姿を消していきました。
さらには、スマートフォンでYouTubeなどの動画を手軽に楽しめるようになったため、若い人のテレビ離れを加速させています。視聴率は低迷し、広告収入の減少が止まりません。あれほど栄えていたテレビ業界が、苦境に立たされています。この姿を20年前に予想できた人は、どれだけいるのでしょうか?
③ 音楽業界
Apple MusicやSpotifyは、「楽曲を購入する」ビジネスモデルを破壊し、「聴き放題」へと変えてしまいました。CDの売り上げは急速に落ち込み、街のあちこちにあったCDショップも姿を消してしまいました。
これらの事例は、圧倒的な強者であっても、ひとたびデジタル技術による「ゲームチェンジ」が起きてしまえば、淘汰されてしまうことを示唆しています。あなたは、このデジタルディスラプションが、特定の業界だけに起こるものと考えていないでしょうか?
本屋、百貨店、DVDレンタル屋、映画館、テレビ局、CDショップなど、かつて繁栄した企業も「まさか自分たちが消えるはずがない」と思っていました。しかし、デジタルディスラプションの波に飲み込まれ、存続の危機に立たされているのです。
したがって「次の破壊は自分たちの業界」と考えるのは当然の流れです。
しかし、それでも他の業界の経営者と話していると、なかなか「自分ゴト」として受け止めてもらえないことが多いと感じます。「ウチの業界もいずれは変化するだろうけど、まだまだ先の話」と重い腰が上がりません。
ところが、そのような業界や企業こそ、いざ実際に「破壊」が始まったら手遅れなのです。従来のやり方に馴染みすぎていて、なすすべもなく、一気に荒波に飲み込まれてしまいます。

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