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IT戦略として、「守りのIT」の次に「攻めのIT」で何をすればいいのか?

2022

7/19

IT戦略として、「守りのIT」の次に「攻めのIT」で何をすればいいのか?

ようやく守り終えた後に目指す場所

「基幹システムがすべて終わって、次に何をやればいいですか?」

ある現場では、ようやく基幹システムの再構築がすべて完了しました。

3年の歳月をかけて、会計、経費精算、販売管理、勤怠管理、人事給与とそれぞれプロジェクト化し、段階的にリプレイスしました。

もともとは巨大なレガシーシステムだったので、それはもう大変でした(苦笑)
いや~、長かったです。

今までは明確に「プロジェクト」があったので、そこにひたすら専念するだけでした。

しかし、それらプロジェクトが終わった今、次はどこを目指していけばよいのでしょうか?

どの企業も基幹システムの整備後に輝いている

基幹システムの整備は、いわば「守りのIT」です。

今回の企業では、とにかく「レガシーシステム」が足をひっぱっていて、何もできませんでした。巨大なブラックボックスは調査も改修も時間もかかり、予算を食いつぶします。「攻めのIT」に時間も予算も振り向けられない状況でした。

さらに、保守メンバーの定年退職も控えています。誰もシステムを保守できなくなるため、まさに「事業継続」が危うい状況でした。

そのような状況だったので、「攻め」の前にまずは「守り」が急務。攻めは後回しにしました。

この「とりあえず守る」作戦、私はそこまで悪くないと考えています。

守ったら、おのずと次の道、「攻めのIT」は見えてきます。

むしろ、守る前からグランドデザインで「攻めのIT」を詳細に定義したとしても、おそらくそれは、すべて書き直しになるはずです。

なぜなら、前提が大きく変わってしまうからです。

導入する基幹システムによって、持っている機能も違えば、接続できる技術も異なってきます。さらに、その当時から技術は進歩し、新しい選択肢も加わっていきます。

たとえば、すべてをクラウド化すると、いろいろ課題も見えてきます。
・社内インフラ全体構成の最適化
・セキュリティの強化
・溜めたデータをどう活用するか

また、データが整備されてくると、次の課題も見えてきます。
・経営管理指標の整理
・経営ダッシュボードの構築とリアルタイム化
・データ経営の加速

デジタル化を進める上での課題もあります。
・プロセスのデジタル化(残エクセルの対応、基幹システムの改修)
・商品のデジタル化(アナログ商品のデジタル化、新規ビジネス創出)
・人のデジタル化(デジタル時代の情シスの最適化)

最後の「人のデジタル化」は、わりと見落としがちですが、とても重要なテーマです。IT人材・情シスの役割も変化が求められています。

オンプレミスからクラウドに変わることで、インフラ保守の在り方が変わってきます。従来のヘルプデスクやキッティングなどのルーティンワークも、そもそも情シスがやるべきなのか?というのを今一度見直すタイミングです。

情シスがやらないといけない「コア業務」を定義し、内製化とアウトソーシングの領域を検討すべきでしょう。人材リソースは限られているため、「集中すべき領域」と「捨てる領域」を明確にする。これこそまさに「戦略」ではないでしょうか。

話をもどすと、IT戦略は次のステージに上がれば、見える景色が変わってきます。

最初からグランドデザインは完璧でなくてもいいのです。大きな方向性はあった方がいいですが、詳細に定義しても書き直しになるだけです。

足場が固まってくると、徐々にグラデーションで足元の道がハッキリと見えるようになっていきます。

次のフェーズは楽しみでしかない

冒頭の企業は、3年前の当時「金食い虫でリスクの大きな現行システムを何とかする」というのが、最優先課題でした。そして、3年後の今はその課題は解消しています。経営状況も変化し、優先すべき課題も変わってきています。

経営層と現状を振り返り、集中的に議論しました。詳細は書けませんが、次の3年のIT戦略を定義しました。

・システム全体のゼロトラスト対応
・デジタル経営の仕組み化
・新規デジタル商品開発
・IT部門の組織再編とスキルシフト

テーマが決まれば、後は具体的に進めていくだけです。今後、それぞれでプロジェクト計画を立て、体制を決めていきます。

守りの時は目新しさがなく地味だったかもしれませんが、攻めは新しい領域です。プロジェクトによっては、華があったり、チャレンジングで士気も上がってきます。

ワクワクしながら、次のフェーズに進んでいきましょう!

貴社の情シス・IT部門は、どのように守って攻めていますでしょうか?

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御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか

情シスコンサルタント
田村 昇平

情シス(IT部門、情報システム部門)を支援するコンサルタント。

支援した情シスは20社以上、プロジェクト数は60以上に及ぶ。ITベンダー側で10年、ユーザー企業側で13年のITプロジェクト経験を経て、情シスコンサルティング株式会社を設立。

多くの現場経験をもとに、プロジェクトの全工程を網羅した業界初のユーザー企業側ノウハウ集『システム発注から導入までを成功させる90の鉄則』を上梓、好評を得る。同書は多くの情シスで研修教材にもなっている。

また、プロジェクトの膨大な課題を悶絶しながらさばいていくうちに、失敗する原因は「上流工程」にあるとの結論にたどり着く。そのため、ベンダー選定までの上流工程のノウハウを編み出し『御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか』を上梓し、情シスにインストールするようになる。

「情シスが会社を強くする」という信念のもと、情シスの現場を日々奔走している。

著書の詳細は、こちらをご覧ください。