要求機能一覧のフォーマット

要求機能一覧を作成するポイントは、現行システムの機能だけではなく、Excelなど「手作業」で行っているものも全て列挙することです。現行システムで備えている機能とアナログの手作業で実施しているもの、これらをすべて盛り込んで、要求機能一覧を作成していきます。


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なお、「優先度」は後で更新するため、それ以外をまずは埋めていきます。
 
 

要求機能一覧は数を出してから絞る

要求機能一覧の作成手順としては、次の4ステップで進めます。

① たたき台を作成する

まずは検討の軸となる「たたき台」の一覧を作ります。情報元は2つあります。

1つは「現行のシステム機能一覧」です。現行で備えている機能は、基本的に新システムでも必要とされます。

もう1つは「業務フロー」です。業務フローの優れているところは「手作業」も表現されていること。電話やFAXなどのアナログの対応、Excelなどのシステム外の処理も記載されています。それらを新システムの要求機能として、検討のテーブルに乗せていきます。
 

② ボリューム重視でひたすら集める

上記①でたたき台を作ったら、幅広く関係者から要求を集めます。この段階では「システムで実現できるのだろうか」とか「この機能は高くつくんじゃないか」は気にする必要はありません。それはベンダーが考えればいいことです。システムでどう実現化していくかは、ベンダーの専門領域であり、ベンダーのアイディアを引き出した方がうまくいきます。

また、要求の出し手によって表現が様々なため「機能Aは細かく要求」「機能Bはおおまかな要求」と粒度にばらつきも発生しますが、この時点では気にしません。大きな観点で「漏れ」を無くすことが目的だからです。ひたすら洗い出し、ざっくり分類して書き込んでいきます。
 

③ システムの目的に沿って優先順位をつける

一通り出し尽くしたら、優先順位をつけていきます。現場の意向を重視しすぎると目先の部分最低化となってしまうため、経営層、業務関係者、システム担当と全社的に確認していきます。

その結果を「MUST:●」「WANT:△」「見送り:×」で分けます。

なお、この時点で優先順位の低い機能は「対応見送り」を決めることもできますが、ベンダーの提案を受けてから決める方がお得です。優先順位が低くても、オプション機能として備えていたり、ほとんどコストがかからず「ついでに」構築できる機能もあるからです。費用対効果を見てから判断しましょう。
 

④ 社内関係者に展開して合意を得る

完成した「要求機能一覧」を社内に展開して、最終確認します。ここで合意が得られれば、全社的な要求として確定します。ベンダーに話を聞く準備が整ったといえます。
 
 
(↓要求機能一覧についての説明はこちら↓)
要求機能一覧がなぜもっとも重要なドキュメントなのか?
 
 

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※ 弊社で公開しているサンプルについては、基本的に画像のみの提供とさせていただいております。ファイルデータのダウンロードを可能とすると、内容の吟味をせずにそのまま流用し、トラブルに発展する可能性があるためです。画像データから文字起こしを行う過程で、それぞれのプロジェクトの状況に合わせてアレンジしていただければ幸いです。