RFI回答の時点で順位は重要ではない

RFIを発出すると、各ベンダーからパラパラと回答が返ってきます。ベンダーに丁寧にお礼しつつ、回答情報を整備していきます(整備といっても、コピペしてエクセル一覧表を作成するだけですが)。

さて、このRFIの回答をどう評価していけばいいのでしょうか?

一般的に「選定」というプロセスは、回答された各項目を評価し、点数をつけて、順位を決めていくイメージだと思います。

1位、2位、3位と決めていって、A社が最有力、B社が次点…みたいな。

しかし、この時点で「順位」は重要ではありません。

1位、2位と順位を決めることに意味はないのです。

なぜなら、要求に対する提案ではないからです。自社がきちんと要求したことに対する提案なら、順位に意味があります。つまり、RFPで提案を受けると、その順位はたやすく入れ替わってしまう、ということです。

RFIの回答は提案ではなくベンダーの「基本スペック」情報です。それが分かったとしても、自社の課題を解決できるかは、この時点ではわかりません。

では、何を見るのでしょうか?

RFIでは、「足切り」するかどうかを見るのです。

他の項目がいくら良くても「この1項目がダメなら選定しない」という情報を見ていきます。ボクシングで、いくらジャブなどでポイントを稼いでも、重いパンチ一発でノックアウトされたら、それが試合の決め手になってしまう、という意味で「ノックアウトファクター」とも呼ばれます。

言い換えると、RFIでは「ノックアウトファクター」を見ていく、ということです。
 

履歴書の書類選考と同じ

例えば、人材採用で「高学歴で全資格を保持し、希望年収も問題なく、職歴も申し分ない」という人に内定を出したとします。オンラインで面談すると、先方は笑顔で「実は外国に住んでいるので、オンラインしか対応できないんです。現地対応は無理です」とさらっと重要なことを言ったりします。現地対応が重要な会社の場合、他の項目が満点だったとしても、内定取り消しとなります。

こういったケースは、面談する前に足切りして防ぎたい。

100枚の履歴書があって、100人と面談はしないと思います。まず、書類選考があって、通過した人だけが、二次選考に進みます。

RFIでも考え方は一緒です。一緒なのに、ベンダー選考になるとその発想に至らない人が多いのが実にフシギです。1回1回、律儀に会おうとします。

そして、どんどん時間がなくなっていきます。

その人だけが苦労するならまだ目をつぶりますが、それでスケジュールが伸びたり、選定の質が下がったり、自社にもベンダーにも迷惑をかけたりするなら、話は変わってきます。やはり、プロセスを見直すべきでしょう。

RFI回答評価では、順位付けをするのではなく、可能性ゼロのベンダーを足切りすることが目的となります。

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