要求機能はサブシステム単位できっちり評価する

ベンダー選定における次の評価軸で、何が最も重要でしょうか?

① システム機能
② 費用
③ 実績
④ プロジェクト計画
⑤ その他

これは、求めるシステムの「特性」や企業の経緯、要求への「文脈」で変わってきます。その時々で重視するポイントは変わると思います。

しかし「システムを発注する」という観点で最も重要なのは「① システム機能」しかありません。

すなわち、RFPで提示した「要求機能に対する実現度」となります。

いくら安くても、実績があっても、求めるシステムが実現しないのであれば、全く意味がないからです。費用や実績などを評価する前に、評価のテーブルから落ちるだけです。
 

事前にウェイトを設定する

システム機能は、RFPの「要求機能一覧」に対する各ベンダーの回答を評価します。この評価で重要なのは「事前準備」です。あらかじめ、機能に対して「ウェイト」を設定しておくのです。

なぜ「事前準備」と位置付けたかというと、時間がかかるからです。ベンダーに選考結果を回答するまでタイトなスケジュールです。それなのに提案を受けてからウェイトを設定しようとすると「事務的なやっつけ仕事」になってしまいます。十分に検討されたものではなくなり、集計のためだけの数値化となる恐れがあります。

このウェイトの付け方ですが、コツがあります。

単純に各機能に対してウェイトを設定したらどうなるでしょうか?

「重要度」ではなく、機能の「数」が優先されてしまいます。

例えば、「請求管理」と「入金管理」と2つのサブシステムを要求したとします。要求項目は請求が110項目、入金が10項目だったりします。

なぜかというと、請求には100種類の請求書フォーマットを要求するなど、顧客によって細かく機能が細分化されるからです。これらを単純に各1点で計算しようとすると、請求が110点満点、入金が10点満点となります。

これだけ偏りが生じるとどうなるのでしょうか?

「請求と入金をバランスよく提案したベンダー」より「請求だけ完璧で入金は機能なしのベンダー」の方が評価は高くなってしまいます。入金機能がまったくなければ、それは致命的なので、本来はスコアに反映すべきです。

重要度を加味して「請求110点/入金10点」を「請求100点/入金70点」ぐらいにする。その調整を行うのが「ウェイト」です。

「ウェイト」は、まず全体の配点を決めて、そこから各サブシステムに割り当てます。

私は、よく全体を「1000点満点」にします。

なぜかといえば、100点の場合は、そこから細分化していくと、末端の「請求書機能」などが小数点だらけになってしまうからです。

小数点だらけだと、見栄えが悪くて、勝手に小数点以下が丸められたりしないよう、手間もかかります。そのため、要求機能が多いのであれば、全体スコアの桁を多くしておくのです。

これは機能評価だけではなくベンダー評価全体に言えることですが、評価におけるスコアリングは、「ボトムアップ」の積み上げ方式ではなく、「トップダウン」の配点方式です。

全体の総合点を先に決めて、重要度の割合に応じて、配点していきます。その配点をさらに細分化して、割り当てていきます。これを末端の評価項目まで落とし込んでいきます。

末端の評価項目まで含めると、膨大な数になります。そこまでウェイトを設定するには、かなりの時間がかかります。社内の調整も必要でしょう。

だからこそ、ウェイト設定は、ベンダーから提案書を受領するまでに完成させておく必要があるのです。
 
 

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