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情シス/IT部門のPMOが会議で発言できない理由とは?

2019

7/03

発言できない情シスPMOの悩み

「会議で全く発言できないんです」

ある情シスPMOのメンバーから相談を受けました。

日々、多くの会議に出席しているが、ほとんど発言ができずに悩まれているとのこと。

その理由を聞いてみると

「その業務領域はまったくの未経験で知見がない」
「ユーザーとベンダーの話に全くついていけない」
「その領域を勉強するにも、範囲が広すぎて…」
「PMOとして役に立っていないのではないか」

と言いながら、大きなため息をついています。

PMOにとって、未知の領域で会議を進めることは珍しくありません。このような状態で日々を過ごすと、自信を失い、メンタルが壊れかねません。

情シスPMOとして、どう対応していけばよいのでしょうか?

コメンテーターではなくファシリテーター

そもそも、なぜ会議で発言しないといけないのでしょうか?

会議の出席者は、それぞれ役割があります。

・意思決定する人
・意見を出す人
・進行する人
・記録をとる人
・状況を把握しにきた人
・牽制しにきた人

役割によっては、発言しない方がいい場合もあります。

ここでPMOの人が陥りやすい罠とは何でしょうか?

それは、PMOが「意見を出す人」になろうとすることです。

業務や技術の専門性がない中で無理に意見を出そうとすると、的外れな意見となり、周りから浮いてしまいます。発言が軽視され、相手にされなくなってしまいます。

PMOは、まず「進行する人」、言い換えると「ファシリテーター」であるべきです。

話の流れに意識を集中させ、全体の発言を促し、論点を整理し、適切な人にコメントを求め、脇道にそれたら戻します。場が膠着したら、議論の「呼び水」となる質問を投げかけたりします。

その会議が目的を達成するかどうかを「設計」し、そこに責任を持ちます。その成果が「決定事項」と「To-Do」になります。

そう考えると、本質的には別の問題が見えてきます。

発言できないのは

「会議に対して受け身だから」

ということです。

言い換えると、会議の準備が不足しているのです。

・事前に自分なりの論点を整理していない
・事前に呼び水となる質問を準備していない
・事前に会議の流れと落としどころをイメージできていない
・関連する資料やメールに目を通していない
・必要最低限の勉強が足りていない

PMOにとって、会議は「準備が9割」です。手ぶらで参加するユーザーとは、立場も役割も異なるのです。

「会議がうまくいかない責任はPMOにある」という当事者意識が先にあれば、必要な準備は見えてくるはずです。手当たり次第に勉強をするのではなく、論点に応じて、調査の強弱もつけられるようになります。

攻めの情シス/IT部門は会議運営から

PMOにとって、会議や打ち合わせは日常シーンです。

その会議や打ち合わせをPMOが「受け身」ではなく「主体的」に回しているかどうか。そしてその準備に時間を割いているかどうか。

準備ができていれば、自然と「発言」も多くなります。主体性をもった会議運営は、自信にもなり「メンタル」にも好影響をもたらします。

そのようなPMOが、プロジェクトの「質」と「進捗」を引き上げていきます。

貴社の情報システム部門/IT部門のPMOは、会議で「発言」できていますでしょうか?

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DXで経営戦略を仕組み化する技術

情シスコンサルティング株式会社
田村 昇平

情報システム部門(情シス)を起点に、経営戦略とDXを統合するコンサルタント。

システム開発を10年、ユーザー側のITプロジェクト支援を13年。ベンダーとユーザー、双方の立場を経て独立。これまで30社以上、100を超えるプロジェクトに携わる。

近年は、現場主導のDXが行き詰まる企業が多い現実を踏まえ、「経営主導」への転換を提唱。トップダウンでDX戦略を策定し、実行可能な形で「仕組み化」する支援を行っている。併せて、「情シスをDX推進の中核組織」へと進化させる独自メソッドも確立してきた。

膨大な現場経験での数多くの失敗や板挟みとなる葛藤。それらを乗り越えてきた知見をもとに、机上論ではない「再現性のあるDX」を追求する実務家として、経営者・CIO・情シス部長と伴走している。

主な著書に『システム発注から導入までを成功させる90の鉄則』『御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか』『DXで経営戦略を仕組み化する技術』がある。

著書の詳細は、こちらをご覧ください。