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現場叩き上げの情シスメンバーが部長になったら何をすべきか?

2023

6/21

久々の再開が昇進祝い

「暇になってしまいました…」

10年以上前に支援した情シス担当者が、このたび情シス部長になりました!

久しぶりの連絡がその吉報だったので、早速お祝いで訪問。

積もる話もあるので、ランチでゆっくりお話を聞くことにしました。

部長になったので、今までの仕事はすべて部下に引き継いだそうです。

日常のルーティンワーク、担当していたプロジェクトタスクなど、すべてを引き継ぎました。

その結果、暇になってしまったようです(笑)

今までは上司にタスクを指示されていたのが、今は誰も指示をしてくれません。

何をやっても自由、やらなくても自由。

「田村さん、私は何をやればいいんでしょうか?」と困惑しています。

情シス部長になると、何をやればいいのでしょうか?

直近の大きな課題

そこで、もう少し現場の状況を確認していきます。

なんと、この3ヶ月で社員1名、派遣2名が辞めたそうです。

そのため、現場はかなりの人手不足。

辞めた原因を聞くと、どうやら「現場が楽しくない」とのことで、3名がたまたま同じタイミングで重なったようです。

「もしかして、情シスの労働環境の改善が部長の仕事でしょうか?」

その通りです。「組織の課題」を扱うのが、部長の仕事です。

情シス組織の課題

現状のメンバーが何をやっているかも確認しました。

オンプレサーバーの保守やヘルプデスク、キッティングなどに多くの人数と時間を割かれているようです。

・これらの役割をもっとスリム化できないか?
・もっと攻めの役割を担えないか?
・どの領域を派遣、業務委託、アウトソーシングしてよいのか?
・情シスの適正人数は?
・今後、何人増やしていきたいのか?

と質問してみました。

「確かに体制をどうするかを考えないとダメですね…」

基幹システムの課題

10年前に支援した基幹システムについても確認してみました。

あれから機能改修を重ねて、今もなお現役稼働しています。

・オンプレミスからクラウドへの移行
・スクラッチ開発からパッケージへの転換
・紙ベースからペーパーレスの仕組みへ

これらをどう考えているかを確認すると、頭を抱えます。

「これが一番重たい課題ですね。そうか、これを考えないと…」

今度、知り合いの大手SIerに相談してみると言われました。

しかし、私はその状況を危ないと感じました。

アイデアがないところに無防備に接触すると、ロックインされるからです。

しかも、そのSIerだと、高額のスクラッチ提案に誘導されるのが目に見えています。

そのため、話を聞くのは構わないが、パッケージベンダーなど、他にも話を聞いてほしいと提案しました。

複数の選択肢をもった上で、1社に依存しないようお願いしました。

「確かにその通りですね。危なかった…」

グランドデザインの課題

基幹システム以外の現状を聞くと、ExcelマクロとAccessが多く、その「メンテナンス」にも情シスの労力がとられているとのことでした。

・ExcelマクロやAccessアプリを今後どうするのか
・どうすれば情シスの手間が抑えられるのか
・ローコードやノーコードツールの可能性はあるか
・SaaSに置き換えは可能なのか
・基幹システムの周辺のアナログをどうデジタル化するのか
・システムグランドデザインをどう考えているのか

と聞いてみました。

「グランドデザイン・・・考えないといけませんね…」

最後に、これら情シスの「組織の課題」「基幹システムの課題」「グランドデザインの課題」について、5年、10年のロードマップをどう考えているかを聞きました。

「たしかにロードマップを決めないといけないですね」

手元の手帳には、たくさんメモがとられていました。

部長にしか扱えない

「課題だらけで、暇をしている場合じゃないですね」

その通りです。残りのタスクもすべて引き継いで、大きな課題と向き合うべきです。

これは部長にしかできないことです。

気づくとランチは2時間を超えていました。

次回のランチを約束して、その場を慌てて解散しました。

貴社の情シス部長は、部長にしかできない課題と向き合えていますでしょうか?

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DXで経営戦略を仕組み化する技術

情シスコンサルティング株式会社
田村 昇平

情報システム部門(情シス)を起点に、経営戦略とDXを統合するコンサルタント。

システム開発を10年、ユーザー側のITプロジェクト支援を13年。ベンダーとユーザー、双方の立場を経て独立。これまで30社以上、100を超えるプロジェクトに携わる。

近年は、現場主導のDXが行き詰まる企業が多い現実を踏まえ、「経営主導」への転換を提唱。トップダウンでDX戦略を策定し、実行可能な形で「仕組み化」する支援を行っている。併せて、「情シスをDX推進の中核組織」へと進化させる独自メソッドも確立してきた。

膨大な現場経験での数多くの失敗や板挟みとなる葛藤。それらを乗り越えてきた知見をもとに、机上論ではない「再現性のあるDX」を追求する実務家として、経営者・CIO・情シス部長と伴走している。

主な著書に『システム発注から導入までを成功させる90の鉄則』『御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか』『DXで経営戦略を仕組み化する技術』がある。

著書の詳細は、こちらをご覧ください。