DXマップで自社DXの現在地と目的地を把握する（サンプル画像付き）

DXマップとは

自社のDXをどのように全体設計（グランドデザイン）すべきか。

これは、多くの企業が最初につまずくポイントです。個別のDX施策は思い浮かんでも、それらが全体のどこに位置づけられるのかが曖昧なままでは、DXは散発的な取り組みに終わってしまいます。だからこそ「自社のDXを体系的に描く」発想が重要になります。

DXには、大きく分けて「社内DX」と「社外DX」の2つがあります。

さらに社内DXは「紙やアナログ作業をデジタル化する段階」と「デジタル技術を活用して業務プロセスそのものを作り変える段階」に分かれます。

これらを整理すると、DXは次の3ステップで捉えることができます。

 

この3ステップを俯瞰し、「いま自社はどこにいるのか」「どこに重点を置くべきか」を見える化するために役立つのが『DXマップ』です。

DXマップは、DXとして取り組むべき領域を広く、そして体系的に整理したものです。自社のDXがどこまで進んでいるのか、何が手つかずなのかを「地図」を見るように把握できます。

DX戦略を描く際、重点領域を可視化するツールとしても有効です。

（DXマップサンプル）

（※ 画像をクリックすると、大きな画像が表示されます）

 

DXのすべての起点は基幹システム

DXの「一丁目一番地」が基幹システムです。

第1ステップと第2ステップ、つまり「社内DX」全体に大きな影響があります。

ペーパーレスやクラウド化もまずは基幹システムができていなければ、話になりません。基幹システムのセキュリティが低ければ、会社全体のセキュリティが低くなります。古ければ、BIやAIなどによるデータ活用も後手に回り、最新のデジタル技術とも接続できません。

業務が効率化・合理化できるかどうかも基幹システム次第です。

保守性が悪ければ、IT要員も費用もすべて奪われてしまい、「攻めのIT」への余力も捻出できません。

基幹システムの最適化は、DX成功の「絶対条件」といえます。

 

第1ステップは多くの企業で進んでいるが、課題はセキュリティ

実際、多くの企業では第1ステップであるデジタイゼーションはほぼ完了しています。

しかし足元の課題として大きいのが「セキュリティ」です。

近年、ランサムウェアの被害が拡大しています。いつ自社が標的にされてもおかしくありません。サイバーセキュリティへの対応は、現代では必須です。

また、テレワークが普及し、社外から社内環境へアクセスしたり、データを持ち出して業務を行ったりする機会が増えました。その状況下で、社内のログを適切に管理・検証する「内部脅威検知」の仕組み化も、必須といえます。

 

第2ステップ以降の盲点は、デジタル営業とデジタルマーケティング

意外と手つかずになりがちなのが、第2ステップ以降の「デジタル営業」と「デジタルマーケティング」です。

ここは顧客接点に直結し、売上にも大きく影響する領域です。それにもかかわらず、驚くほど従来のアナログ手法が残っています。

BtoC企業はこの領域が生命線なので、当たり前のように取り組んでいます。しかしBtoB企業は「これまでの方法で困っていない」という理由で変革を避けがちです。

だからこそ、ここに変革を起こせば競合との差別化につながる大きなチャンスになります。

 

第2ステップと第3ステップをつなぐ生成AI

最近は「生成AI」が大きな注目を集めていますが、その活用もDXステップの考え方で整理すると理解しやすくなります。

まずは社内DX（第1・第2ステップ）で生成AIの環境を構築し、実際に使ってみて社内にノウハウを蓄積する。その上で、得られた知見を自社サービスに組み込み、社外DX（第3ステップ）へと展開する。

この順番を踏むことで、社外DXの失敗リスクを大幅に下げながら、競争優位につながるサービス創出へつなげることができます。

生成AIの活用は第2ステップと第3ステップの「橋渡し」でもあり、ここを戦略的に進めることが成功の鍵になります。

同様に、自社にデータを蓄積し、それをAIで解析して付加価値につなげる「データドリブン」領域も、第2ステップと第3ステップで段階的に展開していくことが重要です。

 

戦略の優先順位を整理する

DXは領域が広く、要素も多岐にわたります。

だからこそ、最初に全体像を俯瞰できる地図『DXマップ』を手元に置くことが有効です。

足元の基盤整備から、プロセス変革、そして最終的なビジネス変革まで。

自社のDXの「現在地」と「目的地」を把握し、戦略的な優先順位を整理する上でも、DXマップは大いに役立ちます。

ぜひ、自社のDX戦略を検討する際には、このDXマップを活用しながら、全体を体系的に描くところから始めてみてください！

 

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